ブログ 第73話

もの忘れ相談室からあなたへ

第73話:今一番伝えたい事 ➡ 早期発見が何故遅いのか?

 

昨年11月末発刊の小冊子『認知症は改善できる』の1章でも取り上げましたが、電話話相談や病院・物忘れ外来、地域包括に相談に来た時には既に、進行しており早期発見については大きな課題である事をその後も再確認してきました。

何故、数年遅れてしまうのでしょうか?

1.先ずは、最初にあれっ!と気がつくのは身近な家族ですが、一時的な症状で多くは普通に生活もしており、足腰も元気で少しぐらいの事は年だからと見過ごしています

2.本人が少しおかしいと思うのは少し後で、家族の次に気がつくのはお友達やサークル・習い事等での言動で、あれっ!と思いますが、家族と一緒で様子見で直接最近おかしいよ!と言うのは躊躇してしまい、見過ごしているのが現状のようです。

3.ある時点で、家族もやはりおかしい?と思い本人に病院等を進めるのですが、本人は自覚も無く特に私は元気!と過信している方は、かなりの時間を要しているのも実態です。

4.問題は、地域のかかりつけ医(内科)に行って、最近母が少し心配なのですが、と伝えても10分程度の問診や診断では難しく、初期は対話も出来るし足腰も元気で認知機能検査もせずに“まだ大丈夫!”と言われ、安心して1~2年が経過する事も多々あります。

5.認知症に対して多くの人々がネガティブな印象を持ち、「認知症になったら怖い!」「認知症になったらおしまい!」など偏見を含めた感情を持たれている方が少なくない

本人自身が診断される事への不安や恐怖感そして受診へのためらいもあると思います。

6.相談する窓口(大手病院・行政等)の敷居が高く、行くまでに数年経過している

7.最大の原因は、家族や近隣との繋がり感の低下が根底にあるのではと思います

次回は、数年経過して認知症が進行している早期発見の対策を考えていきたいと思います。

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